もの忘れ相談

ご家族やご自身でこのような症状はありませんか?
この頃ついさっきの事が思い出せない
約束を忘れるようになった
何度も同じことを話すようになった
計算ミスが増えた
いつもの道が分からない
身だしなみを気にしなくなった
免許更新時、認知機能検査の結果が良くなかった
歳をとると、人の名前や言葉が思い出せなかったり、物の場所を忘れてしまったりなどの物忘れは出てくるものです。このような加齢による物忘れだけでなく、脳の機能が低下することにより記憶障害を起こす「認知症」は、早期発見早期治療が重要です。原因を早期に発見し治療をすることで症状の進行を遅らせることができるので、将来的にもご本人やご家族の負担を減らすことができます。おかしいなと思う症状があればお早めにご相談ください。また、ご家族のみのご相談も承ります。

認知症について

認知症とは、さまざまなことが原因で、それまで正常だった脳の細胞が働かなくなってしまい、記憶などの障害が起きて日常生活に支障が出ている状態のことを指します。近年、医療技術の発達や核家族化などの理由から、認知症患者は増え続けています。超高齢化社会に向けて、ご自身やご家族の症状に早くから向き合い、治療を行うことは健康的に歳を取る上でとても大切です。
認知症の種類
認知症には、いくつか種類があり、脳の異常が見られる場所や症状などによって分けられます。種類によって治療法も異なり、早めの服薬で症状を抑えられる認知症もあります。
アルツハイマー型認知症
認知症のうち約半数近くを、このアルツハイマー型認知症が占めています。脳の神経細胞が死滅していき、記憶を司る海馬が萎縮していきます。初期症状は、もの忘れから始まり少しずつ進行していきます。しかし早期治療によって、進行を遅らせることもできます。
脳血管型認知症
脳の血管の病気が原因で、脳の機能が低下することにより認知症の症状が出ます。症状としては、もの忘れや手のしびれ・麻痺などで、時に症状が出たり出なかったりすることもあります。脳疾患への治療を主に行います。
レビー小体型認知症
レビー小体と呼ばれる特殊なたんぱく質が、脳の大脳皮質や脳幹にたくさん集まってしまうために、神経細胞が壊れてしまい、認知症の症状が出ます。初期症状は、もの忘れより幻視や妄想が見られます。症状を改善させる薬もいくつか存在します。
前頭側頭型認知症
脳の前頭葉と側頭葉が萎縮し、神経細胞が少しずつ壊れていくことによって、さまざまな症状が出てくる認知症です。初期症状は、もの忘れはあまり見られず、人格変化や異常行動などが目立ちます。薬物療法と並行しながら、治療を行う医師と話し合い、感情を安定させていくことが症状改善につながります。

高齢者の危険運転が増えています

近年、ドライバーの高齢化も問題になっています。高齢者ドライバーによる死亡事故は年々増え続けており、その中には認知症であるにも関わらず運転し続けてしまい事故を起こしてしまったという事例もあります。
そのため、2017年3月に道路交通法が改正され、75歳以上のドライバーは認知機能検査を受けることが義務付けられました。
高齢者の危険運転
認知機能検査とは
認知機能検査とは、75歳以上の方が高齢者講習の前に、記憶力・判断力を確認する簡易的な検査です。

・49点未満・・・認知症のおそれ【第1分類】
・49点以上76点未満・・・認知機能の低下のおそれ【第2分類】
・76点以上・・・認知機能の低下のおそれなし【第3分類】

検査結果が【第1分類】の場合は、臨時適性検査もしくは医師の診断が義務付けられます。その結果、認知症と診断されると、運転免許証の取消、または停止となります。

診断書作成いたします
教習所での認知機能検査の結果で、「記憶力・判断力が低くなっている」との結果が出た場合は、当クリニックにて適切な認知症の診断を行い、診断書を作成いたします。また、結果説明の際にも患者さまの気持ちに寄り添い、丁寧な説明を心がけます。いつでもご相談ください。
自主返納も選択肢に入れましょう
運転に自信があっても、歳と共に判断力や身体能力は低下するものです。元気なうちに、車のない生活をイメージし、買い物無料宅配サービスや介護タクシーなど、高齢者向けのさまざまなサービスの準備をしておくのも良いでしょう。 後悔する状況になってしまう前に、早めに返納する決断も重要と言えます。

検査と治療

当クリニックでは、戸畑共立病院と提携し、画像診断も行っております。VSRADシステムは、アルツハイマー病に特徴的に見られる、記憶を司る海馬の萎縮がないかを測定することができ、アルツハイマー型認知症の診断の補助が可能です。検査結果に基づいて診断した後、今後の治療についてご説明いたします。
早めの治療とチームでの治療が大切です
早期発見は、早期治療への開始へつながり、アルツハイマー型認知症の進行を遅らせることができます。認知症の治療は、ご本人だけでなくご家族、ケアマネージャー、医師などチームで進めていくことが大切です。必要であれば、介護保険申請のための主治医意見書の記載も可能ですので、お気軽にご相談ください。

当院での「もの忘れ相談」の流れ

初めての受診時
診察時間は30分から1時間程度です。診察の内容は質問表による問診と、医師の診察、心理検査、場合によっては採血も行います。他医療機関からの紹介状や画像検査や血液検査の結果などあればお見せください。
2回目の受診時
後日、他院(戸畑共立病院、戸畑総合病院のどちらか)で頭部の画像検査(CTまたはMRI)を行っていただき、各種検査結果説明のため初診より1~2週間後を目安に2回目の受診となります。(かかりつけ医療機関にて近々に画像検査を行っている場合は必要ありません。)
その後の受診
画像など各種検査結果に基づき、認知症と診断された方には、今後の治療や日常生活の過ごし方について、段階に応じた丁寧な説明を行います。